DNAの塩基配列
遺伝子の本体はDNAという高分子化合物である。
この遺伝子の機能とは第一に遺伝子が遺伝子自身を作ることである。
遺伝子はたんぱく質のアミノ酸の配列順序を決定するための設計図をA、T、G、Cの4種類の塩基の配列順序として持っている。
この塩基配列を正確にコピーすることが遺伝子自身を作ることであり、これはDNA複製と呼ばれるプロセスをもっておこなわれる。
そしてできあがったコピーは細胞が分裂したときに細胞に等しく分配される。
もう一つは、遺伝子のもつ情報を発現させるということである。
生物体が一個の受精卵から胚となり、成熟した個体となり、老化して死に至るまでに使われるすべてのたんぱく質はDNAの中に設計図としてかかれている。
この全情報のうち、必要なときだけそれを働かせることが重要な遺伝子の役割で、情報発現という。
たんぱく質を合成するためには、DNA上の塩基配列をRNAという別の分子に写し、それをもとにリボソーム上でアミノ酸を重合させるという過程をとる。
細胞と遺伝子
細胞は個体の構造と機能の単位である。
多細胞生物の場合、体の各組織における異なる機能はその組織を構成している細胞の機能の違いを反映しており、さらに細胞単位での違いは、その細胞がどのようなたんぱく質を作っているかということに依存している。
それぞれの細胞がもつ遺伝子はほとんどすべての細胞に共通であり、それは受精卵が成立したときに存在したのと同じはずである。
そこで、このような細胞ごとのたんぱく質の存在のしかたの違いは、遺伝子のどの部分の情報がよく発現されるか、つまりその設計図に書かれたどのたんぱく質が合成されているかということの違いである。
1個の受精卵が細胞分裂を繰り返す間に、細胞ごとに発現される情報の中身が変わってきて、何種類もの細胞からなる組織が形成されていく過程は細胞分化とよばれる。
デオキシリボース
DNA(deoxyribonucleic acid:デオキシ核酸)とは、生物という生きた実体を形づくる設計図である。
自動車を点と線とでかかれた設計図に従ってつくれば動くことが約束されているように
DNAの設計図に従ってできた生物は生きることが約束されているのである。
で、具体的にDNAの図面によってつくられるものはというとたんぱく質をつくる図面である。
しかもそれは酵素たんぱく質である。
さまざまな酵素をつくりだし、その酵素が生体で必要ないろいろな物質をつくる。
原料を切った貼ったして必要なありとあらゆるものを作り出すのは酵素であり、
その酵素の図面をDNAはもっているのである。
DNAはリン酸と、デオキシリボースという5炭糖と、プリンまたはピリミジンの誘導体である塩基との3者からなるデオキシリボヌクレオシドが基本単位である。

塩基成分はほとんどの場合、アデニン、グアニンのプリン誘導体とシトシン、チミンのピリミジン誘導体である。
この塩基成分が生き物の設計図として直接意味をもつ。
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