幼虫のたんぱく源
もろもろと比べてみたらわかるが、微生物そのものはたんぱく質の比率が多い。
たんぱく質は肉や骨格の素になる成分なので、微生物が多い培養材はすなわちたんぱく質が豊富であると考えられる。
とすると、いったんマットを乾燥で発酵を止めたら菌体数が減りもったいないかも!?
微生物自体、どんな添加剤よりも栄養のあるものと思われるが・・・。
と思い、発酵終期のマットを幼虫にやってみたが、爆発的な巨大化は認められない。
考えてみても、市販マットは乾燥して出荷されるものもある。
ということは、マット中の生きた微生物数は大して関係ないのかもとおもったり。
いまだ不明だが、微生物自体よりも微生物が生成し放出するなにかが、影響あるのではないかと思ったり。
それならば、添加物(主にたんぱく質)少なめで有用な菌体を投入、軽い発酵を起こさせる。
その後、発酵を止めずにしばらく放置。
が、結構良いのかも。
添加物なし水+有用菌のみで1次発酵させ、後にたんぱく質添加もよさそう。
微生物の死骸が栄養の素とも考えられるが発酵終期でだめならこの線は消えそうかな?
いまのところ、死んだ・生きた微生物が主なたんぱく源と思われる。
マット中でもいいし、幼虫消化器官内でも微生物が十分に存在すればたんぱく質は補給される。
糖質を添加しぶくぶくに太る生体にはたんぱく質が不足しているか、
脂肪の摂取が過剰であるかどちらかと思われる。
しかし糖質があれば、微生物(消化器官内)は増殖するので、
微生物にとって増殖しやすい環境にすれば、
たんぱく質は補給される。
もしくは、直接吸収されるものにするか。
いろんな手がある。
2004.07.27変更
微生物に関する知識
ここでは、発酵で活躍する微生物のおおまかな性質について説明する。
主な微生物の世代時間
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| 微生物名 |
世代時間(分) |
| 枯草菌(バチルス・スプチリス) |
26-32 |
| 大腸菌(エシェリヒア・コリ) |
20 |
| 乳酸菌(ラクトバチルス・アシドフィルス) |
66-87 |
| 酵母(サッカロマイセス・セレビシエ) |
90-120 |
| 酵母(シゾサッカロマイセス・ポンベ) |
240 |
これは、栄養の十分な培地、十分な酸素、最適な温度などの条件のそろった場合での世代時間である。
マット中であれば、栄養だけを見ても微生物にとって最適で摂取のしやすい構成ではないため、
これよりも時間が大幅に増えると考えられる。
しかし、ダニの世代時間が2-3日であるのでそれから見ても驚くほどのはやさである。
したがって、発酵は1日もあれば十分な菌体量に増えている(ただし、ある程度の条件がそろった場合)。
ちなみに、ある一定数以上増えると菌体量の増加はおわり、安定した菌数を保つようになり、栄養(もしくは必要な要素)がなくなり始めると菌体数は減少に向かう。
よく肥えた畑の土の中には1cm3あたり106-108の数の微生物がいる。
微生物の酸素要求
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| 種類 |
性質 |
微生物例 |
| 好気性菌 |
酸素を必要とする菌 |
酢酸菌、シュードモナス菌、枯草菌、納豆菌、かび |
| 通性嫌気性菌 |
酸素があってもなくても生育する菌 |
乳酸菌、大腸菌、プロピオン菌、酵母 |
| 嫌気性菌 |
酸素があっては生育しない菌 |
酪酸菌、クロストリジウム菌 |
普通の土の中には好気性菌、通性嫌気性菌、嫌気性菌のすべてが存在する。
水はけのよい土では、好気性菌、通性嫌気性菌が多く、水はけの悪い土では通性嫌気性菌、嫌気性菌が多い。
マット中では湿り気の多いマットでは表面を除いて、通性嫌気性菌、嫌気性菌が多く、乾燥気味だと好気性菌、通性嫌気性菌が多い。
最適な湿り気とはすべての菌が揃う位の水分量であるとも考えられる。
マットを保存の為にカラカラに乾燥させた場合、嫌気性菌が死滅してしまうので、使用する場合は湿り気を与えた後、嫌気性菌を投入する必要がある。
微生物の生育温度
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| 種類 |
最高温度(℃) |
最適温度(℃) |
最低温度(℃) |
微生物例 |
| 低温菌 |
30-25 |
20-10 |
10-0 |
水中細菌、発光細菌など |
| 中温菌 |
45-40 |
40-20 |
10-5 |
大部分の発酵菌、かび、酵母、腐敗菌、病原菌など |
| 高温菌 |
80-70 |
60-50 |
40-30 |
堆肥や温泉にいる細菌など |
通常の成虫、幼虫飼育温度は25℃前後であり中温菌の最も活発になる温度である。
大多数の微生物がこれにあたる。
また、冷蔵庫内で食品を腐らせる低温菌は30℃が生育限界である。
逆に高温菌は25℃で生育はほとんどしないが、死滅することはない。
発酵マットを作るにあたり、発酵初期では60℃くらいになるが低温菌を死滅させ、中温菌がかろうじてわずかに生き残るだけであろう。
堆肥中に存在する高温菌は、ほだ木の主成分であり幼虫の主な糖質源としてのセルロース分解能が優れているものもある。
かつて牛乳などの殺菌に用いられた低温殺菌法は、60℃で30分加熱し牛乳中のほとんどの病原菌や腐敗菌を殺菌する。
発酵マット作成時の初期発酵で低・中温菌が死滅し、堆肥や発酵牛糞・鶏糞、わらなどに存在する高温菌(褐色腐朽細菌)が、セルロース及びヘミセルロース分解酵素を分泌し消化する。
したがって、どのくらい高温(50℃~70℃)を維持することが出来るかで発酵具合(セルロースの分解・消化)が変わる。
2004.07.27変更
微生物菌体の成分(水分以外は乾燥比率)
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細菌 |
酵母 |
かび |
備考 |
| 水分 |
80% |
75% |
85% |
胞子の水分は少ない(かびの胞子で6%) |
| 有機成分 |
炭水化物 |
12-18% |
25-60% |
8-40% |
グリコーゲン、でんぷんの他、たんぱく質、脂質と結合した複合多糖類として存在 |
| たんぱく質 |
40-75% |
30-60% |
12-45% |
核酸と結合した核たんぱく質として含有(細菌2-5%) |
| 脂肪 |
5-10% |
10-25% |
10-25% |
ロドトルラ、カンジダなどの酵母は40-50%も大量に含む |
| 無機成分 |
灰分 |
1-14% |
6-11% |
5-13% |
Pが全灰分の30-45%と一番多く、ついでK、Ca、S、Clとなっている。そのほとんどが有機物として結合している。 |
最近、ふとおもった。
発酵マットは、そこそこ行き着くとこまで逝っているのではないかと。
というのは、ある程度の栄養があれば発酵がおきるもしくは発酵が持続する。
ということは、発酵済みのものは微生物が発酵をおこすか持続するだけの栄養が不足してきたということである。
糖分、たんぱく質、脂質の微生物に必要なエネルギーの総量が一定範囲で許容量を下回った場合、発酵が終わる。
すなわち、発酵マットではそれ以上大きくなるための過剰な栄養を与えられない。
どんなに、よい発酵マットでも一定のエネルギー許容量を超えていないはず。
そのエネルギー容量を越えない限り、劇的な進歩は迎えられない。
糖質や脂質の割合を減らして有効なタンパク質、アミノ酸含有量をどれだけ増やすかがポイントだと思うのだが結局はどんぐりの背比べではないかと。
市販されている発酵マットで見ても多少の売り文句はあるのだが、これをつかえばどいつもこいつもどこのマットを使ったものよりも大きくなるというのは見当たらない。
このことが、マットの栄養比率を数パーセント変えたところで、エネルギー許容量があるのだからそれ以上劇的に大きくさせるための栄養は与えられないことにつながる。
まあ、ミリメートルの違いが大きいんだといわれたらそれまでだが、なにか劇的?に大きくなる(できる)方法がみつることができればたのしいかなっと。
牛糞、鶏糞に含まれるリンは幼虫の食欲を増進させるらしい。
マットの乾燥保存は嫌気性菌を死滅させることにつながる。
電子レンジでの殺菌は、ダニ・コバエ等の小動物の退治には適するが、微生物の死滅や幼虫が大きくなる重要な要素であるたんぱく質の変性にもつながり、電子レンジ処理後での幼虫投入は控えたい。
また、冷凍は微生物にとって激減の要素となりうるので、幼虫にとっての浄化は60℃でのいわゆる(食品で使われる)低温殺菌が望ましいと思われる。
60℃であれば低温菌は死滅することになるが、堆肥中に多く含まれるセルロース分解菌は高温菌でありこの温度は活動にとって支障はない。
さらに、ダニやコバエなどもこの温度に耐えられず、高温・中温菌のみに限定される幼虫にとってのクリーンな環境が出来るのではないかと思われる。
脂質が過剰にある場合は、ダニが異常に繁殖する。
これはダニが酸化脂質を好むためである。
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